はじまり
昭和の昔、ある町の角に「かどや」という名のパンやたばこなどを売る小さい店がありました。
月日が流れ、空き家になったそこに私が引っ越してきました。
当初、写真・映像を用いたインスタレーションアートを主に活動していました。アートと日常の隔たりへの疑問が強まっていた頃、仕事の帰りにいつもと違う道を通り、店舗付き空き家と出会いました。そして「だれでも馴染みのある商店/誰でも覗けるアトリエ」として、KADOYA工房を開店しました。
KADOYAの日々
半分ハンドメイド、半分レディメイドの商店。
国内外のインテリア・キッチン用品・衣類・骨董品の中に、ハンドメイド雑貨とアート作品が点在し、開店日は制作過程を見たり買い物を楽しんでもらうことが出来る場所でした。
なんとなく子どもたちから始まり、ご近所さんが顔を覗かせる場所となりました。ある年、お礼に夏祭りを開催しました(ハウスメイト達や友人の協力で出した屋台が好評でした。感謝)。
夏祭り後も、一休みできるようソフトドリンク販売を継続。
そんな日々が続き、数年後に屋根裏を改築して秘密基地を作りました。
さらに数年後、空き部屋を利用してゲストハウスも始めました。KADOYAを訪れる人に旅人が加わりました。
異国から来た人たちはその短い滞在の間、この家でこの町の住人のように過ごせることを喜び、ご近所さんたちもまた一期一会を楽しんでくれているようでした。
旅立ちと放浪の日々
2013年から16年にかけて、生き物の形のテーブルランプシリーズを作っていました。その中の一つを公園のベンチタイプにバージョンアップしようと試みて、壁にぶち当たっていました。ある時、KADOYAに宿泊したあるゲストとの出会いから、海外で完成させるチャンスを得て、KADOYA工房を閉め渡航しました。
私の旅は思ったより長引きました。
訪れた先々で、職人や工房などを探し、見つかるとしばらくその町に住み、ものづくりさせてもらうようになりしました。
定住したかと思えば移動し、あちこちで出会いと別れを繰り返す中で、何ができるかを考えるようになりました。
過去に出会った人々や、一時的に道が交差するかもしれない未来の人々に、手紙のようなものを書けたらと思い、このサイトを作りました。
帰郷と再出発(2024-2025)
何度目かの旅の途中、オランダで起業を計画していた時、
生まれて初めて「日本に帰りたい」という感情が芽生えました。
帰国後の日本はこれまでと違って見えました。知っている国なのに新鮮で、様々なことに興味が湧き、ワクワクしました。
遺跡の発掘調査に従事している時に、
陶芸に使えそうな粘土が出たので、埴輪をつくって焼いてみたらうまく行きました。
翌日仕事場に持って行ったら、同僚たちがびっくりしたり面白がってくれ、久しぶりに人に見てもらうことのウキウキをに思い出しました。
一周回って、元の場所に。